Top / USP経営ハンドブック / 6.USPを創る / 6.9.キャッチコピーを創る

では、キャッチコピーについてお話ししましょう。
ビジネスを成功させるために最も大切な能力はなんでしょうか。
あなたに一つだけ能力を与えられるとしたら、どんな能力を望みますか?

私なら、人を動かす。行動に駆り立てる能力を望みます。

あなたのUSPをクライアントに明確に伝えるキャッチコピーを創ってみましょう。
キャッチコピーとは、まさにクライアントを動かす言葉です。

原則としてキャッチコピーは1つです。 クライアントはたくさんの言葉があると混乱してしまいます。
もちろん、ニーズの異なるクライアント層に対して別のキャッチコピーを使ったり、キャッチコピーを変えたりすることはあるでしょう。
しかし、一人のクライアントに対しては一つのキャッチコピーであることに代わりはありません。

きら星のように光る言葉を創りましょう。
キャッチコピーを創るときに気をつけなければならないことは次の3つです。

  • 分かりやすい
  • 覚えやすい
  • 口コミに乗りやすい

これらを満たすために、キャッチコピーは短く印象的な言葉でなければなりません。

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KISSの法則

キャッチコピーで最も大切なことは「わかりやすさ」です。

KISSの法則というのをご存じでしょうか。

  • Keep it Simple and Short. (分かりやすく簡潔に)
  • Keep it Simple, Stupid.(分かりやすく言え、このバカ)

分かりやすい言葉は、消費者の意識だけではなく無意識の中にもスッと入っていきます。

キャッチコピーというと、どうしても専門用語やかっこいい言葉、奇抜な造語を使うイメージがあるかもしれません。
確かに一時期、コピーライターは言葉の魔術師扱いされたことがあります。
すごいコピーを作ったコピーライターが評価され持てはやされた時代がありました。

有名なエピソードがあります。
♪律子さん、律子さん、さわやか律子さん♪
絶大な人気のあったプロボーラーの中山律子さんを使ったCMです。

誰もが知っていたCMですが、なんのCMだったかをご存じの方は少ないでしょう。
実は花王のフェザーシャンプーのCMです。
CMは有名になりましたが、シャンプーはサッパリ売れませんでした。
花王ではこの失敗からお客様価値を中心にしたCMを作るようになり、業績を伸ばしました。

キャッチコピーの基本は「分かりやすい言葉」で「商品のお客様価値」を示すことです。
できたらお客様価値は1つに絞ります。
かっこいい言葉は必要有りませんので排除しましょう。

クライアントはあなたにとって大切な人です。
大切な人に納得していただいたうえで商品をご購入いただきたいという思いがあれば、自然と分かりやすい言葉を選んでしまうはずです。

天国と地獄

コピーには、天国型と地獄型があります。
一般に、たくさんの人に買って欲しいときは、地獄型(不安訴求型)が良いと言われています。
「これを買わないと困ったことが起きますよ」
新しくニーズを作る場合には、この方法は有効です。
差し迫った危機を訴求できれば、確実に購入に繋がります。

しかし、すでにニーズはあるなかで固定客を作っていきたいときには、この方法は逆効果です。
「良いですよ」「楽しいですよ」
クライアントが共感する天国型のメッセージを発することが大切です。
このようなメッセージには、クライアントの行動を正当化し、根拠を与え、背中を押す効果があります。
「買っても良いのだろうか?」という迷いが解け、快感に導くことでお互いに気持ちよくビジネスをすることに繋がります。

地獄型のメッセージは、短期的には効果を上げますが、いずれ落ちてきます。
クライアントが「買わせようとしている」ことに気付くからです。
使うときには、十分に注意してください。

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より具体的に、もっと具体的に

食品業界では「美味しいものはヒットしない」と言われています。
「美味しいですよ」と言われると、消費者は個々に「美味しい」を想像します。しかし、人によって美味しさの基準はバラバラですから、「確かに美味しい」と思う人と「なんだ、それほどでもないじゃないか」と思う人が出てくるのは仕方がありません。

それほどでもないと思う人がくせ者で、この人たちは「負の口コミ」をしてしまうことがあります。
しかも「それほどでもない」と思う舌の肥えた人は、影響力が大きいこともあり、消費者に悪影響を及ぼすことさえ有ります。

それを避けるためには、「フウワリ柔らか」「ダシが効いている」「ピリッと辛口」と言った具体的な表現をします。
キャッチフレーズには、万人に受けそうな、曖昧でひびきの良い言葉は自己満足でしか有りません。
クライアントに分かるキャッチコピーを心がけましょう。

煽りは将来の売上げの前借り

売りたい気持ちが行きすぎると「煽る」表現になりがちです。
確かにそれで一時的な売上げ増に繋がることもあります。
しかし、それは将来の売上げを削って先取りしたにすぎません。

ちまたには「煽る」言葉が氾濫しています。
あなたもそんな表現に抱いた期待を裏切られたことがあるでしょう。
その結果、多くの消費者は無意識のうちに「怪しい」「話半分にしておこう」「信用できない」という評価を与えてしまいます。
むしろ、煽りに反応する「値段にうるさい」「クレームが多い」クライアントを集めることになってしまいます。

クライアント像がしっかり決まり、顔がはっきりと見えていれば、煽ることが出来るでしょうか。
自分の大切なクライアント、友人や家族にも等しいクライアントに買いを煽るようなことをしますか?
絶対にしないでしょう。

煽る言葉を使いたくなるのは、クライアントを大切な人と思っていない。札束だとしか思えないからです。
煽るという行為は麻薬に等しい。
今は良くても、将来必ず報いを受けるということを良く覚えていてください。

大和言葉を使う

日本人の心にスッと入ってくる言葉は、やはり大和言葉です。
「感謝しております」
「ありがとうございます」
どうですか。心に響く言葉は後者ではないでしょうか。

同じ意味であっても、肌に感じる度合いの違う言葉があるものです。
地域限定、あるいは地域を感じさせたいのであれば、方言を効果的に使うことも考えてみましょう。

また、日本語は、擬音語・擬態語が大変豊富な言葉であることが知られています。
擬音語や擬態語は、感覚に直接響く言葉です。
下品にならない程度に積極的に使いましょう。

心に響く言葉が行動に繋がる言葉です。
クライアントと向かい合うのではなく、縁側に腰掛けるように寄り添って、同じものを見ながら話しているような言葉を選びましょう。

欧米のマーケティング論を読んでいると、とても理論的です。
一方で、日本人の購買行動はもっと感性的です。
そのあたりに違和感を覚えることがあります。

数字を入れる

数字があるとなぜか具体性を感じます。
自分に置き換えて具体的なイメージを持つことが出来ますので、消費者の反応は極端に上がります。
私は、数年前から「年間売上金額を90日間と2週間で15%アップさせる仕組みを創る! 今日からスグに取り込める具体手法!」というようなことでお話をさせていただいています。

もちろん、この数字には根拠があります。
消費者は、キャッチコピーを見たときに、すぐに信じるわけではありません。
一抹の不安を持っているわけです。

不安を取り除いてあげるためには、なんらかの「証拠」が必要です。
証拠と言っても、完璧に実証できるものを求めているわけではありません。
消費者から見て「あら、本当みたいだわ」と感じていただければ良いのです。

数字があると、なにか測定する、統計を取る、といったような作業が成されたことを感じてしまうのでしょう。
このことが、自分に置き換えてどうなるのか、というイメージを引き起こしそれを信じる助けになります。

消費者は「購入したい」と言う気持ちを行動に変えるために、ちょっと後押ししてくれるものを欲しがっています。
愛用者の声、専門家や有名人の推薦、雑誌や新聞の記事、分かりやすい図解、生産者や経営者の顔、などなど。
消費者の不安を解消する言葉を入れることが出来れば、強い力を持つキャッチコピーになります。