あなたは、あなたの会社の営業マンや優秀な商品やサービス、キャッチコピーがクライアントを集めていると思っていませんでしょうか。
「お客様を集めるのは、お客様である」と言えば、言い過ぎでしょうか。
繁盛しているところには、さらにお客様が集まります。
お客様が集まっているから繁盛しているのでしょうか。
繁盛しているから、お客様が集まるのだと考えることはできないでしょうか。
キャズム理論をもう一度思い出していただければ、私の言いたいことは理解していただけるでしょう。
江戸時代の呉服屋は、店が火事になったら反物などは放っておいて大福帳を井戸に投げ込んで逃げるのだそうです。
火事が収まると、井戸から大福帳を引き上げ、取引先を一軒一軒挨拶回りします。
そこでお客様が商品を買ってくださって、また商売が成り立ちます。
配置薬で有名な富山の薬売りは、懸場帳と呼ばれる薬を売った先の名簿を持っています。
この懸場帳は、薬売りが引退する時に売買されます。
その売買金額の計算方法は、とても合理的です。
まず過去の売上から推定される年間の売上金額に既に置き薬として置いている薬代を加算します。
そこから1年以上訪問していない不廻りを減算し、それに暖簾価値と呼ばれるブランド料を2割~最大5割加算した金額を売買代金とします。
懸場帳を新たに買った薬売りは、顧客名簿を引き継いで商売が始められるというわけです。
会社経営や店舗経営をされている方なら、数十社以上、数百人以上の顧客リストをお持ちでしょう。
単独店舗で名簿だけなら数千人という美容室もあります。
けれど、そのお客さまの情報をどれだけ把握しているかということになると、氏名(会社名)、メールアドレス、電話番号、住所(所在地)といった名刺レベルの情報くらいですね。
しかも発注がないと、来店されないと全くと言ってよいくらいにコミュニケーションがとれない状態。ましてや紹介などとても考えられない。
「一度でもご縁があった方はすべてお客さま」 この考えは否定しませんし、どちらかというと私もこの考えに近いです。しかし現実的ではありません。
1年以上商品発注がない、2年も来店されていないのにあなたはお客さまだと思い込んでいる。
役にも立たない顧客リストを眺めている、なんてことはないですか。
名簿は一番大切な財産です。
優良な顧客名簿を作ることがビジネスの目的と言っても過言ではありません。
あなたはお礼状を出す習慣がありますか?
はじめてお会いしたときに、名刺交換した方に葉書で結構ですので簡単なお礼状を出してみましょう。
印象は確実にアップします。
簡単なことですが、実際にそう言うことをしている人は少ないです。
商品やサービスをご購入いただいた方に、お礼状を出していますか?
ネットショップなどでは、メールでお礼状を出すのは常識化しています。
通販では、信用度が勝負になります。
インターネットでは、メールでのやりとりが簡単にまた自動的にできますので、そういう部分はとても進んでいます。
実店舗やリアルなビジネスではどうでしょうか。
売ったら売りっぱなしなところが多いのではないでしょうか。
商売というのは、売ったところから始まるものです。
このことは、強調してもしすぎることはありません。
まずは、簡単で結構ですのでお礼状を出すことから始めてみてはいかがでしょう。
商品を買ったばかりのお客様は、ちょっとした不安を持っているものです。
これを買って良かったのだろうか?もっと良い選択があったのではないか。
そういう不安を打ち消すためにも、お礼状を出しましょう。
買ってくださったお礼、不具合や疑問点があったときの連絡先、消費財であれば期限付きの割引クーポンなど、社長名で出してみてください。
手書きが難しいのであれば、手書きフォントを使っても良いでしょう。
自分の字から手書きフォントを作るサービスもあります。
あなたの工夫で「あなたから買って良かった」と実感していただきましょう。
お客様にメッセージレターを出してみましょう。
買ってもらうためではありません。思い出していただくためです。
買いを誘うメッセージはお客様からは嫌われます。
例えば、メインタイトルはこんな風に!
[☆☆の□□屋 社長●●からのお客さまへのメッセージGIFT]
☆☆の部分はキャチフレーズなどが入ります。
内容は次の構成からアレンジしてみてください。
期間限定の割引券もしくは同種の粗品引き換え券等を同封しても良いでしょう。
宅配便や手紙でなくてもチラシや店頭内での留め置き、駅前の手渡し配布、ポスティング、営業マンが持参でもOKです。
社長名でメッセージレターを送る!ことを社長名のメッセージを伝える!と理解して下さい。一度お試しあれ!
効果テキメンです。本当です。
くどいですが絶対に商品の説明や売り込み文面はダメですよ。
お客様に他のお客様を紹介してもらうことができれば、あなたのビジネスは一気に進展します。
あなたの会社や商品、サービスを評価してくださる方であれば、まずは誰かを紹介してくれるよう頼んでみましょう。意外と紹介してくれるものです。
紹介者の信用が最初の壁を突破します。スムーズに話を聞いてくれるでしょう。
これは、あなたの会社のどんな優秀な営業マンにもできないことです。
うまくいった場合でも、うまくいかなかった場合でも、紹介してくださった方に感謝の気持ちを伝えましょう。
また、新しいお客様が出来たときには、必ず「私どものことをどちらでお知りになりましたか」と聞いてみましょう。
紹介してくださった方が分かったら、同じように感謝の気持ちを伝えてください。
感謝の連鎖が繋がることで、あなたのことを紹介してくださる方が増えると共に、紹介してくださった方自身も、ますます優良なお客様に育っていきます。
お客様を紹介していただける仕組みを作ることも大切です。
居酒屋などでは宴会の幹事は無料といった工夫をしています。
何人かで来店すると特典や割引があるというのは、ちょっと嬉しいものです。
紹介者がいれば特典や割引をするというところもあります。
これらの割引は、紹介された人から「あなたのおかげで賢い買い物をした」と思って貰いたいという紹介者の気持ちをうまく捉えています。
紹介者もリスクを負って紹介してくださっています。
紹介者の信頼を裏切らないように、十二分の注意を払いましょう。
さまざまな機会を捉えて、お客様からのご意見、ご批判を聞きましょう。
そして、それを社内で共有しましょう。
お客様からの視点というのは、不思議なくらい持ち得ないものです。
自分も生活の中でいろんな会社や店舗のクライアントであるはずなのになぜでしょうか。
経営者は自分の商品やサービスには思い入れがあって、どうしてもお客様との温度差を埋めることは出来ないのでしょう。
出来ないのであれば、それが出来るようになろうとすることも大事ですが、出来ないことを謙虚に受け止めてお客様に聞いてみることのほうがもっと大事です。
会社というものは、経営者や社員がお客様と共に運営するものです。
お客様から見ても、会社から意見を聞いてもらって、その意見が実際に反映されることは嬉しいものです。
意見が反映されなくても、その理由を納得いくように説明されれば問題はありません。
定期的にアンケートを採ったり、目安箱を置いたりすることはもちろん、お客様に集まってもらって意見を聞いたりする機会を設けましょう。
そして、その結果と対応策はかならずお客様の目に触れるようにしてください。
常に「意見を聞きたい」という姿勢を見せることで、クレームも減り、お客様と寄り添った経営が出来ます。
最近は、女子高生やOL、主婦などの消費者をマーケティングや商品開発の現場に参加してもらうという試みがあちこちで見られます。
芸能人プロデュースなどもそうですね。
あなたもヘビーユーザーを招いて経営会議を行ってみてはいかがでしょうか。
子供が何かを欲しいと思ったときに言う言葉は、決まって次のようなものです。
「○○ちゃんも持っている」
「みんな持っている」
大人でもそうです。誰かが持っているものを自分も欲しくなるものです。
自分と同じような人が、商品やサービスを使った感想などを見ると、自分も欲しくなります。
顔写真があれば効果は倍増します。
顔を見ることで、感情移入し、自分のことのように感じてしまうからです。
企業であっても同じです。
納入先企業の担当者の声は、あなたの説明以上に説得力を持ちます。
有名な人、権威のある人、専門家からの推薦が有れば、さらに強力です。
お客様の声や推薦は、出来るだけ意識して早いうちから集めるようにしましょう。
最初は、社員の家族や知り合いなど、いわゆる「さくら」でも効果があります。
そして、お客様の声を公開する手段を持ちましょう。
ホームページやチラシ、小冊子、メッセージレターなど、あなた独自の媒体で紹介してください。
営業マンであれば、お客様の声だけを集めたファイルを商談のときに使ってみてはいかがでしょうか。
もちろん、ご本人の承諾を得ることが絶対に必要であることは言うまでもありません。
あなたの商品やサービスが、競合他社と違うと言うことをお客様に教えてあげましょう。
お客様が間違った判断をしないように、ちょっとした小冊子を作ってみてはいかがでしょうか。
あなたはお客様よりも圧倒的な知識を持っているはずです。
その知識をお客様に教えてあげましょう。
言うまでもないことですが、売り込んではいけません。教えるだけです。
お客様は、重要な情報を教えてくれたあなたに対して一目置きます。
また、他のお客様に口コミをしてくれることも期待できます。
実演販売やテレビショッピングがそうですね。
使い方を教えることで、これなら使える。私も欲しいという気になります。
私の友人に饅頭屋が居ます。彼は和菓子の教室を開いています。
美味しいコーヒーの淹れ方を教えてくれるコーヒーショップが出てきました。
神戸では春になるとイカナゴの釘煮という郷土料理を各家庭で作りますが、これは漁師の奥さんたちが近所の主婦に作り方を教えたことから広まったと言われています。
このようにお客様にプロの技術を教えることで、こだわりのある高級品志向のお客様に育てることが出来ます。
さらに、お客様を教える側に仕立てるという方法もあります。
自宅でもできると銘打って美容サロンやマッサージを教える会社があります。
ヘビーユーザーにノウハウを覚えていただいて、ちょっとした収入を得ていただくと共に、自社の商品を広めていただくこの方法は、いろんなところで応用できそうです。
マクドナルドでは、アルバイトを将来のクライアントと位置づけているそうです。
特に若い女性スタッフは、将来は家族ぐるみのファンになります。
パソコンソフトには、学生優待価格を設けているものがあります。
卒業後も使い慣れたソフトを使い続けるだろうということです。
プロ野球やJリーグでも、家族、特に将来のクライアントである子供を大切にします。
このように、家族や子供、将来のクライアントにポイントを当てて、10年後20年後のクライアントを長い時間を掛けて育てるということが、あなたの会社で出来ないでしょうか。
例えば、現場に積極的に子供や学生アルバイト、研修生を受け入れて見学や体験をさせるようなことはできないでしょうか。
同窓生であれば、学校に寄付をしたり差し入れをしたりすることは出来るかもしれません。
生徒を前にして講演をすると言ったことも出来るかもしれません。
建築業なら夏休みに木工教室をボランティアで開くというようなことが出来るでしょう。
子供や家族連れ、学生アルバイトなどを通じて、将来のお客様を創ると言うことは、将来の安定したクライアントを作ることに繋がります。