Top / USP経営ハンドブック / 7.USPを使う / 7.7.社会貢献をマーケティングに

企業の「社会的責任」がますます重視されるようになってきた昨今、事業活動の中に「社会的意義の高い要素」を組み込む動きが増えています。

最近、話題になったものとしてはミネラルウォーターのボルヴィックが2008年に実施した『1L for 10Lプログラム』が挙げられます。
これは、飲料水不足に苦しむアフリカの人々の救援と、アフリカの水と衛生に関する問題に対する関心と理解を高めることを目的としていました。
消費者が購入したボルヴィック1リットル当たり、10リットル相当の安全な飲料水を生み出せるように、井戸掘りなどの現地活動を支援するというものです。

ボルヴィックのWebサイトを見ると、2008年の同プログラムによってアフリカのマリ共和国に生まれる飲料水は11億リットル強。
これにより、マリ共和国の子どもたちとコミュニティ、約20,000人以上へ、清潔で安全な水が10年間にわたり供給されるのだそうです。

ミネラルウォーターには、たくさんの競合製品があります。
もし、特にこだわりがなければ、安全な水が飲めずに苦しんでいるアフリカの人たち助けることにいくばくか貢献できる「ボルヴィック」を積極的に選んだ消費者が多かったのではないかと思います。

なぜ、積極的に選んだのでしょうか?
端的に言えば、そうすることが「気持ちよい」(Feel Good)からです。
言い換えると、「いいことしてる感」があるからです。

ボルヴィックの場合、いわゆる「途上国支援」をマーケティングに組み込んだわけですが、それ以外にも、

  • 環境保護(リサイクリング、カーボンオフセット等)
  • 絶滅危惧種保護
  • フェアトレード(公平貿易)
  • 里山再生 

など、さまざまな社会貢献の方法が、企業のマーケティング活動に組み込まれるようになっています。

ハイブリッド車が売れるのも、もちろん燃費が良くて経済的ということだけでなく、二酸化炭素(CO2)の排出量が少ないため、「環境保護」の役に立っているという「気持ちよさ」が得られるからです。
既に、欧米では「社会貢献的要素」のことを「フィールグッド・ファクター」(Feel-good factor)と呼ぶ向きもあり、それをどうマーケティングに組み込むか、いろいろと実践&研究が盛んです。